「韓国では15万ウォン(約1万4000円)台で売られているリーバイスのジーンズが、フランスでは13万ウォン(約1万2000円)台、香港では10万ウォン(約9300円)台、米国では4万ウォン(約3700円)程度で買える。韓国では1房(約500グラム)5000ウォン(約467円)するブドウが、香港では約2300ウォン(約214円)、ロシアでは1400ウォン(約130円)に過ぎない」 市民団体「消費者市民の集い」が18日、世界28カ国の食品及び生活必需品52品目について消費者物価を調査した結果を公表した。この日、同団体は「韓国産の牛肉、ブドウ、ジーンズ、輸入粉ミルク、携帯電話、輸入豚肉などの価格はいずれも世界で上位5位圏内にあり、韓国だけが高いことが分かった」と発表した。 調査は、いわゆる「MB(李明博〈イ・ミョンバク〉大統領のイニシャル)物価管理品目」に挙げられているものを中心として、国際的に共通の調査が可能な52品目を対象として行われた。調査対象国は米国、日本、ドイツ、中国、ベトナム、香港など合わせて28カ国。このうち17カ国が経済協力開発機構(OECD)加盟国だ。 大衆的に広く知られているチリ産の輸入ワイン「モンテス・アルファ・カベルネ・ソービニヨン」(2007年産)の消費者価格は、ロシアに次いで韓国が3万5900ウォン(約3353円)で世界第2位だった。同じ品が米国では2万3568ウォン(約2201円)、フランスでは1万4888ウォン(約1390円)、日本では1万4864ウォン(約1388円)で、韓国はこれらの国より少なくとも1万‐2万ウォン(約934‐1868円)高い。牛肉の場合、ステーキ用国産バラ肉(1キロ)は日本が9万5130ウォン(約8886円)で最も高く、韓国は8万6600ウォン(約8098円)で第2位だった。輸入牛肉もまた、韓国での値段は1キロ当たり5万2600ウォン(約4913円)で、ドイツやスペインなどに次いで6位だった。 輸入豚肉(1キロ)は、韓国が1万1100ウォン(約1036円)で調査対象国のうち4番目に高い。同じ輸入豚肉を日本やフランスで買うとすると、日本では9000ウォン(約840円)、フランスでは3650ウォン(約340円)出せばいい。リーバイスのジーンズも、日本、ドイツに次いで韓国の消費者価格が世界で3番目に高かった。携帯電話の場合も、韓国での値段は65万7000ウォン(約6万1371円)で、28カ国中トルコ・フランス・ポーランドに次いで4番目に価格が高かった。 消費者市民の集いは、こうした価格格差の原因として「税金」と「流通構造」を挙げている。輸入ワインは関税や酒税、教育税といった税金が価格全体の55%に達する。流通企業の販売手数料も、韓国が外国よりも高かった。韓国ではワインを雑貨・ぜいたく品に分類しており、15%から30%の手数料がかかる。これに対し、先進国ではワインを食品に分類し、手数料は15%に満たない。 消費者市民の集いのユン・ミョン調査研究部長は、「これに加え、ブランド別に輸入業者が1社しかないという独占的な輸入構造や複雑な酒類販売免許制度なども、価格上昇に影響している」と語った。外国産のジーンズや輸入粉ミルクの場合、輸入業者が1社しかないという独占的輸入構造のため、この輸入業者の「高値政策」が価格上昇をあおっていると分析されている。 また輸入豚肉の場合、零細輸入業者が海外で過当競争を繰り広げ、輸入価格を押し上げている部分が大きいという。韓牛(韓国産牛肉)やブドウは、人件費などの生産単価が高いという韓国の現実が原因となっている、と見られている。その一方で、地下鉄の運賃(16位)、バスの運賃(16位)、上水道料金(16位)、都市ガス料金(20位)、電気料金(20位)、有線放送の受信料(23位)などの公共料金は、相対的に安いことが明らかになった。 消費者市民の集いのキム・ジャヘ事務総長は、「今回調査対象とした28カ国のうち、韓国は経済規模の面で10位の水準だったが、上位5位圏内に入る製品が7品目に上る点は、経済規模と比べ概して物価が高いという証拠。政府が適正価格を積極的に管理しなければならない」と語った。
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